その6:塗装して仕上げてしまいましょう。
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ベースグレーが乾燥したら最後の塗装に入ります。これでシャアザクをシャアザク色に塗装できるわけです。勿論これもエアブラシを用いた塗装で、MAX塗りでやっていきたいと思います。 MAX塗りというのは要するにグラデーション塗装の一種でMAX渡辺氏(ホビージャパンを代表するモデラー)が自身の作例で行う塗装法の事です(MAX氏が開発した塗装法ではない)。要するに、下地に塗装したベースグレーをパーツのエッジ部分に残しつつ、本来の色を重ねて塗装することでグラデーションを見せ、さらに立体感やら中古感やらその他諸々を見せようって手であります。 ここで使用するのはGSIクレオス社のMr.COLORと薄め液。画像ではシャアピンクを表現するための塗料であるRLM23レッドしか写っていませんが、これ以外には今回、レッドブラウン、ネイビーブルー、ジャーマングレー、ブラックグレーをパーツ部によって使用しています。あんまりバカスカ色を変えるってのも面倒ですし、色を使えばいいって訳でもないんですが、かといって2〜3色で終わるものでもありませんので、今回は5色程度を使用しています。細かい場所まで入れるとあと2〜3色ほど使った気もしますが。 |
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今回はこのためにRLM23レッドを購入してきました。新品の状態の塗料は当然未開封な訳で、開封すると顔料が沈殿していて本来の色と異なるように見えることがあります。よって、まずよく攪拌し、顔料を均一にしましょう。これを怠って上澄みだけを使おうとすると段々色が変化してしまい悲惨な事になります。これでもかというぐらいに攪拌しておきましょう。場合によってはこの時点で少量の薄め液を入れ攪拌しやすくする事もあります。 |
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よく攪拌できたら適量の塗料を塗料皿に移し、薄め液で希釈しましょう。このときの希釈の目安は本によって2倍だとか3倍だとか色々かかれていますが、そもそも塗料の原液が全て同じ濃度であるかどうかなんか保証できませんので、やっぱりここも経験と感でフォローする事になります。目安ってのも特にあってないようなものなので、自分で何回も試してみるのが一番でしょう。俺の場合は結構薄めに溶いて塗り重ねています。 |
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希釈できたら塗料をエアブラシに注入。ここからが本番ですね。しかし、注入したからといってすぐにパーツに吹き付けるのではなく、メモ用紙などの紙に塗料を吹き付け吹き付け幅を調整してから塗装に入りましょう。MAX塗りの場合、基本は細吹きの重ね吹きなので幅は結構細めに調整してやります。 |
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で、塗装開始。MAX塗りのポイントは、「真ん中は塗料を濃く、エッジに行くに連れて下地のベースグレーがうっすらと見える」ってのがポイントです。ですから真ん中から円を書くように塗料を吹きましょう。塗料が薄いのでたえず手を動かさないとすぐに塗料がたれてしまい、ムラの原因になるので注意。また、一気に塗装しようと思うのもムラの原因になりやすいので落ち着いて、表面の乾燥をさせながら塗装してやりましょう。 |
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これが上のパーツを一通り塗装した状態。面の中心はややピンクっぽい赤、エッジにはベースグレーの色が残っていますね。これがグラデーション塗装という状態なのです。まぁ、これが上手いか下手かは別として・・・。 パーツの塗装が終わったらやっぱり発泡スチロールなどで保持して1日ぐらい放置してやりましょう。しっかり乾燥させておかないとスミ入れで泣きますから。 |
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これが最後の塗装、というか最終工程でもありますね、スミ入れになります。ここではエナメル系の塗料と薄め液を使用します。これまで使用したのはラッカー系、スミ入れはエナメル系。これはスミ入れの鉄則です。 画像はタミヤのエナメル塗料と薄め液。もっとも手に入れやすいエナメル系塗料ですね。使用する色はフラットブラックとレッドブラウンの2色です。ここもこだわればキリが無いんですが、まぁ、俺はこの2色で大体済ませます。 |
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左は薄め液のみ、右はフラットブラックに少量の薄め液で希釈したものです。希釈といってもスミ入れは筆で行いますし、それ以前にエナメル系薄め液は大量に使用するとプラを侵して割れてしまいますので希釈というより少量の薄め液で軽く溶く程度です。あまりにドロドロだとモールドに流れないので塗料の拭き取りが困難ですし、サラサラ過ぎるとプラが割れてしまうので注意しましょう。 |
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真ん中の台形のようなモールドに塗料を流しただけの状態。左側のモールドに比べるとフラットブラックを流し込んだ分だけメリハリが出ています。しかし、このままでは塗料がはみ出ていますね。これは、塗料が乾燥した後、薄め液を綿棒などに軽くつけ、軽く吹いてやることで取れてしまいます。で、モールドの中の塗料は残る。これがスミ入れなのです。 |
という訳で完成です。完成したシャアザクは完成品のページでどうぞ。